カトリック菊名教会

巻頭言

「序唱の味わい」を始めるにあたって

 ミサの中心部分は皆さんもご存じの通り「奉献文」と呼ばれ、四つの種類があります。多くの場合、主日のミサでは「第二奉献文」が使われていますが、おそらく簡潔で短いのがその理由でありましょう。これから毎月、各奉献文の入口をなす「序唱」を一つひとつ取り上げ、味わっていきたいと思います。

序唱は現在40種類ほどありますが、それぞれ典礼暦の季節感を打ち出したり、特定の祝祭を際立たせるのがその特徴です。しかしバラエティーに富んでいるものの、どの序唱も神への賛美と感謝にあふれた「教会の民の力強い祈り」という共通の性格を帯びています。

ミサを司式する司祭が会衆を代表して朗唱するこの「序唱」は、長い伝統につちかわれた教会の豊かな信仰と教えを簡潔かつ美しく表明するもので、まさに会衆の心を「聖変化」へと向かわせる力強い音頭のような働きを秘めています。そのため「序唱」は古代教会からラテン語で「プレファチオ/praefatio」と言われてきました。まさにそれは神に向かう祈りの「先導・呼びかけ」を意味する言葉でした。

「序唱」に続いて会衆は「聖なるかな(サンクトゥス)/感謝の賛歌」を歌い、その後、司祭はパンとぶどう酒の上に手をかざし、聖霊の働きによって「主の現存」が今・ここにもたらされるようにと、会衆と心を一つにして祈るのです。まさにミサ聖祭のクライマックスの始まりです。こうした一連の流れを思うと、「序唱」の生きた役割があらためてあざやかに見えてくるのではないでしょうか。

 これから一つひとつの「序唱」を味わいながら、教会の保持する信仰内容を深く考え、現在を生きる心の力としていきたいと思います。